大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)1142 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人松岡一章の上告趣意(後記)第一点について。

所論は、原判決に理由のくいちがいがあるという主張を前提として大審院判例に

違反すると主張するのである。原判決の支持する第一審判決によれば、判示第一の

(ロ)において、被告人Aの戸別訪問の罪の一部につき、被告人Bとの共謀の事実

を認定しながら、同判決の末段において、被告人Bに対する同一事実関係につき共

謀を認むべき証明十分でないとし無罪としていることは所論のとおりである。しか

し原判決の説明するとおり、被告人Aについては第一審判決挙示の証拠によつて判

示犯行を認めるに十分であるにかかわらず、被告人Bについては、検察官は挙証手

続上の理由により証明を尽すことができなかつた事実が認められるのであつて、こ

のような場合、右被告人近藤を無罪とした事実に基いて、証明十分な被告人Aに対

する事実認定を非難するは当らず、これをもつて判決の理由にくいちがいがあると

いうことはできない。さればこの点に関する原判決の判断は正当であり、これに反

する主張を前提とする所論判例違反の主張は前提を欠くことに帰し採用のかぎりで

ない。

同第二点について。

所論は、事実誤認の主張であつて、刑訴四〇五条の理由に当らない。そして所論

について記録を調べてみても原判決の認定は正当であつて、事実誤認は認められな

い。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年九月二八日

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最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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